ウェルビーイング内科クリニック船橋法典

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健康診断

検尿で尿タンパク・尿潜血を指摘された方へ

健康診断で検尿が行われます。その目的の1つが腎臓病の早期発見です。

腎臓病の多くは無症状であるため、検尿を行うことは重要です。

今回は検尿で異常があったとき、どの様な病気が疑われるか、どう対処すべきかを詳しく解説いたします。

 

検尿異常がある時どの様な病気が疑われますか?

尿蛋白

通常、腎臓からは蛋白は漏れ出ません。腎臓に何らかの異常がある場合に尿蛋白が出現します。

尿蛋白 2+以上の場合や、1+でも繰り返し陽性となる場合は、医療機関の受診が必要となります。

慢性腎臓病(CKD)

慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)

ネフローゼ症候群(微小変化型、膜性腎症など)

肥満関連腎症

糖尿病性腎症

高血圧性腎症(悪性腎硬化症、良性腎硬化症)

膠原病(全身性エリテマトーデス、血管炎など)

尿路感染症

起立性蛋白尿

 

  • 蛋白尿のみの異常で最も多いのが、起立性蛋白尿や濃縮尿によるものです。

起立性蛋白尿(運動後蛋白尿、生理的蛋白尿)とは?

立位、運動などの刺激によって尿中に蛋白がわずかに出現することがあります。尿蛋白の量は少なく安静時には尿蛋白が出現しません。通常の生理現象の範囲内であり、腎臓の働きが悪化する可能性はなく、生活の制限の必要もありません。

濃縮尿とは?

水分摂取量が少ない場合、脱水の場合など尿が濃くなることで、検尿で異常となることがあります。特に、早朝尿の場合は夜間に水分を摂取しないため濃くなりやすいです。1日を通した尿蛋白の量は少なく、腎臓が悪くなる心配はありません。

 

尿潜血

腎臓・尿管・膀胱・尿道など尿の通り道のいずれかに損傷・出血があると尿潜血が出現します。

尿管結石

悪性腫瘍・癌(膀胱癌、尿管癌)

尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎)

慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)

急性糸球体腎炎(溶連菌感染後など)

多発性嚢胞腎

アルポート症候群

菲薄基底膜病 (Thin Basement Membrane Disease)

ナットクラッカー現象

尿糖

糖は腎臓で再吸収されるため通常、尿中に糖が出ることはありません。再吸収できないほどの高血糖がある場合や腎臓で再吸収できない時に尿糖が出現します。

糖尿病

腎性尿糖

 

検尿異常がある場合、何科を受診するべきでしょうか?

  • 尿蛋白が多い場合は、腎臓病の可能性があるため、腎臓内科を受診してください。
  • 尿蛋白と尿潜血が同時に出ている場合も、腎臓病の可能性高いです。
  • 尿潜血が多い場合は、結石や癌の可能性もあるため、泌尿器科を受診してください。

 

検尿異常がある場合、どの様な検査を行いますか?

【尿検査】

早朝尿

起立性蛋白尿が疑われる場合は、自宅で早朝尿を取っていただき持参していただきます。

尿蛋白定量

尿蛋白の定量(尿蛋白/尿クレアチニン比)を行い、尿蛋白がどれくらい出ているかを評価します。尿蛋白が多いほど、腎臓が悪くなる可能性が高くなります。

尿沈渣

尿の沈殿物を顕微鏡でみる検査で、血球成分・細胞成分・円柱などを調べます。沈渣で異常が認められる場合は、糸球体腎炎が疑われます。

尿細胞診

比較的ご高齢の方で尿潜血がある場合、尿中に癌細胞が含まれているかを調べます。

 

【血液検査】

糸球体腎炎などの腎疾患が疑われる場合は、腎機能の評価と腎疾患の原因検索ために血液検査を行います。

腎炎・ネフローゼ症候群と関連する病気:

IgA腎症、全身性エリテマトーデス、血管炎、アミロイドーシス、多発性骨髄腫など

腎臓機能評価のための検査項目:

クレアチニン、シスタチンC、尿素窒素 など

原因検索のための検査項目:

グロブリン(IgAなど)、補体(CH50、C3、C4)、抗核抗体(ANA)、ds-DNA抗体、MPO-ANCA、免疫電気泳動、蛋白分画、ASO/ASK など

 

【画像検査】 

CT検査、エコー検査:

尿検査、血液検査で腎臓病や癌が疑われる場合に、CTやエコーなどの画像検査を行います。

 

画像検査の目的は大きく分けて3つあります。

  1. 腎臓の形態異常の評価 (萎縮腎、低形成腎、多発性嚢胞腎など)
  2. 腎生検の適応の有無
  3. 悪性腫瘍(癌)の検索

当院では画像検査はできないため、近隣の医療機関に検査を依頼しています。

 

【腎生検】

蛋白尿、血尿、腎機能低下のある患者さんにとって最も相応しい治療法を決定するために、尿を作っている腎臓の一部の組織を取り、顕微鏡で評価することが必要になります。「腎臓から組織をとる手技・操作」のことを「腎生検」と呼んでいます。

腎生検の目的は、3つあります。 「適切な治療法を決定すること」、「病気の見通しを予測すること」、 「正確な組織診断を得ること」です。

入院が必要な検査となります。腎生検が必要な場合は適切な医療機関をご紹介いたします。

  • 尿タンパク、尿潜血が出ている場合は、腎臓病や泌尿器科疾患が疑われます。
  • 尿検査、血液検査、画像検査などを行うことで原因の特定と適切な治療につなげます。
  • 検尿異常を指摘された場合は、早めの受診をお願いします。