ウェルビーイング内科クリニック船橋法典

ウェルビーイング内科クリニック船橋法典

アクセスアイコンアクセス
Web予約アイコン
Web予約
お問合せ
047-303-0111

Lifestyle-related disease

生活習慣病

生活習慣病は、糖尿病・高血圧・脂質異常症(コレステロール異常など)・高尿酸血症(痛風)・メタボリック症候群などの、食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒などの生活習慣が、発症と進行に関わる疾患群の事をいいます。これらの生活習慣病は、心筋梗塞などの心臓疾患や脳卒中などの脳血管疾患になりやすくなります。

生活習慣病の治療目標は単に検査数値をよくすることではなくて、重篤な合併症を起こさないこと、病気による生活の質が落ちることを防ぐことです。また、生活習慣病の治療は腎機能を保護するためにもとても大切です。

生活習慣病はその名前の通り生活の習慣が病気と深く関わっています。薬をもらって内服するだけではなく、患者さんご自身が主体性を持って生活習慣の改善に取り組むことで、高い治療効果が得られます。

高血圧

高血圧は心不全・脳卒中・動脈硬化などの心蔵や血管の病気の原因となります。それ以外にも、高血圧が原因で末期腎不全(透析)になる方が増えています。

血圧の目標値は年齢や基礎疾患の有無によって個別に設定されるため、主治医の先生にご相談ください。正常血圧は120/80未満で、一般的に140/90以上 (家庭血圧 135/85以上)を高血圧と診断し、内服治療が必要となる場合が多いです。

血圧の測定は、医療機関を受診した時だけではなく、ご家庭でも血圧を測定することがとても大切です。診察時の血圧は落ち着いていても、実は朝起きた時の血圧が高いケースがよくあります。この様な診察時以外で血圧が高い場合を仮面高血圧と言います。仮面高血圧は持続性高血圧と同様に治療が必要です。

血圧を下げるためには、血圧を下げる薬を飲むこと以外に、食事(食塩を控えめにして、野菜や果物を多くとる)、体重管理(太らない)、運動(1日30分程度)、節酒(1日ビール500ml、または日本酒1合程度)などについて気をつけることが重要です。

若い人の難治性高血圧については、2次性高血圧の可能性もありますので甲状腺や副腎ホルモンなどの検査を行います。

糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、心血管疾患(心筋梗塞、脳梗塞、虚血による下肢切断)や網膜症(失明)、神経症(痺れ、起立性低血圧、胃腸障害、勃起障害)など様々な合併症が起こります。糖尿病の合併症の1つに糖尿病性腎症があり、末期腎不全(透析)になる方の半数以上は糖尿病が原因です。さらに、糖尿病の方では、認知症や癌の発症率が高いことも知られています。

糖尿病性腎症をはじめとした合併症を予防するためにはHbA1cを7.0%未満に抑えることが重要です。一方で、すでに腎機能が悪化してしまった場合、糖尿病の治療を行っても腎機能を元に戻すことはできません。腎臓が悪くなる前にしっかりとした早期診断と早期治療を行う必要があります。糖尿病性腎症の特徴はタンパク尿です。早期発見のためには、微量アルブミン尿の測定が必要です。

合併症の予防のための血糖値コントロール目標はHbA1c 7.0%未満ですが、発症早期の場合や少量の内服薬でコントロールできている方などは、血糖値の正常化を目指して、HbA1c 6.0%未満を目指すべきです。逆にご高齢の方などはHbA1c 8.0%未満を目標としても問題ない場合が多いです。病状に合わせたコントロール目標の設定が必要です。

糖尿病網膜症や歯周病の予防・治療ため、眼科や歯科の受診も必要です。歯周病の治療により血糖値が改善する可能性が報告されています。

糖尿病の食事療法の基本は、糖質制限・カロリー制限ですが、糖尿病性腎症が進行し腎不全になった場合は、タンパク制限も必要となります。

糖尿病の治療薬の中には、腎機能が悪化すると使用できないものがたくさんあります。腎機能に応じた治療薬の選択が必要となります。

脂質異常症 (高コレステロール血症)

脂質の中でも特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は、心筋梗塞、脳梗塞、下肢虚血などの動脈硬化性疾患の危険因子です。慢性腎臓病や糖尿病も心血管病の危険因子であるため、慢性腎臓病や糖尿病の方のLDLコレステロールの管理目標値は120未満となります。

食事では脂肪分の多い肉類や乳製品・バター・マーガリンなどを控え、オリーブ油や魚を摂取することで脂肪酸のバランスが整います。

運動はHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やして、動脈硬化を予防します。

肥満(メタボリック症候群)

内臓脂肪の蓄積に、血圧、血糖、脂質(中性脂肪、コレステロール)の異常を伴った状態をメタボリック症候群と言います。日本人では腹囲85cm(男性)、90cm以上を基準としています。

体重を減らすことで、血圧、血糖、脂質などの異常も改善が期待できます。体重を効果的に落とすためには、きちんとした食事と運動が欠かせません。

生活習慣病の食事と運動

体重を減らすためには食事の摂取と運動が必要です。
 食事による減量法は、低炭水化物ダイエット(ご飯、パン、麺類などの炭水化物を減らす)、地中海食ダイエット(魚、野菜、オリーブオイルの豊富な食事)、低脂肪ダイエット(油の摂取を減らす)など様々な方法がありますが、基本的には総カロリー摂取量を減らす必要があります。低炭水化物ダイエットは短期的には最も減量効果が高いと考えられていますが、長期的な炭水化物の制限は、総死亡リスクが上昇する恐れがあり注意が必要です。

脂肪分としては、飽和脂肪酸(動物性の肉脂や乳脂肪)やトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなどの人工的な脂分)を避けましょう。一方、多価不飽和脂肪酸(コーン油や魚油)や、一価不飽和脂肪酸(オリーブ油)はLDLコレステロールを下げる働きがあります。

運動だけで体重を減らす効果を得ることは難しいですが、食事制限と組み合わせることで、より体重を減らすことが可能であること、基礎代謝を増やしリバウンドしにくい体になることなどから、運動は推奨されます。1週間に150分以上が運動の目安です。

生活習慣病に主体的に取り組むために

ほとんどの方が食事の制限と運動の必要性は理解していると思います。しかしながら、日々の生活の中で食事を我慢したり、一駅分歩いたりと言った行動を続けられる方は多くはありません。“行動様式を変えることは難しい”ということをまずは認識・理解し、自分の1つ1つの行動について見つめ直すことが大切です(マインドフルネスの考え方)。今日は何を食べた、今日はこれだけ運動した、など行動記録をつけることも有効です。

また、自分の行動を変えることによるいい効果を思い描くことも有効です。単に、痩せることや検査数値が良くなることを目標にせず、その先にあるその結果どういう自分でありたいかということを考えてみてください。自分の趣味のことや家族など大切な人のことなど、健康であればこそいつまでも大切なことを続けられるのではないでしょうか。